仮想通貨とアフリカ

国連がブロックチェーンの技術を使って貧困層トークンの配布等を始めていることは以前お伝えしましたが、アフリカ諸国での仮想通貨の現状を書いた記事です。

What is behind Africa’s crypto-phobia? | The New Times | Rwanda

記事によりますと、アフリカでも、IT技術の工場、携帯電話の発達、識字率の向上他、教育の改善等により仮想通貨は広がりつつありますが、底辺層にはまだまだといったところのようです。

ただ、多くの中央銀行が仮想通貨に対して、仮想通貨自体を通貨としても、価値のあるものとしても認めたくないのが大多数のようですし、価格の乱高下、詐欺、マネーロンダリング、テロ資金等の否定的なイメージしかないようです。

ケニア、モロッコアルジェリアは特にひどく、所有時体位が禁止されている状態のようですし、ジンバブエ政府は銀行に対して取り扱わないように行政指導をだしている状態のようです。

また、多くのアフリカ諸国では仮想通貨に対する法整備がない状態だそうで、世界の国が商品としての財産を守ることすらできていないようです。

しかしながら、アフリカ諸国の中央銀行が発行する通貨と比べていくつかの利点があることをこの記事では述べています。

仮想通貨のアフリカでの利点は

1)乱高下が激しくても、自国通貨に比べてそれほど悪くない。

2)自国通貨では交換できない米ドル他、信頼のある通貨と交換がいくらでもできる。

3)決済の手数料が安い

4)仮想通貨に伴うブロックチェーンの技術自体が明るい未来をもたらす。

等が利点であり、アフリカの中央銀行は受け入れるべきであると記事を締めくくっています。

ここからは私の意見ですが、以前、ドルから発展途上国の通貨に交換して、残った現金をドルに戻そうとしましたところ、取り扱い銀行の少なさに閉口しました。そして交換レートはドルにペッグされた通貨であっても、その交換比率の価値の半分以下であったこともありました。なんでこんなにレートがわるいのかとききましたら、発展途上国の為替は乱高下が激しく、公定の為替の半分以下で取引しないと危険すぎるといわれて愕然としたことがあります。交換に行ったアメリカの銀行でも、もしまた行くなら、ドルに戻さないで持っていた方がいいとさえ言われました。

また、多くの発展途上国の国民はドル、円、ユーロに自国通貨を替えるとしても、金額の規制以外、いろいろと不便があるようです。

このような扱いを受けるアフリカの人たちは、確かに仮想通貨を持っていれば、いくらでもドルやユーロにかえられるので、アフリカの金持ちや資本家にとってはとても魅力的ですよね。そして、自国のみならず、アフリカ諸国の通貨と比べて乱高下がそれほど激しくないのであれば、自国通貨をもつのも、仮想通貨を持つのも一緒ですよね。

これからも、失敗国家に住む高所得層、高学歴層がどんどん自分の資産を仮想通貨に変えていくでしょう。そして、貧困国家のなけなしの国富が仮想通貨市場へと流れていくでしょう。将来的には世界中の国の中央銀行が通貨を発行するのではなく、米国、西欧、日本のような中央銀行の発行する通貨に見合った信用のある経済を持つ国だけになるのではないでしょうか。他の国は信用のある中央銀行を持つ通貨と市場からみて信頼のおける仮想通貨だけになっていき、必然的に複雑な為替市場の整理も出来ていくのではないでしょうか。