ロシアの国益に沿って動くガスプロムの子会社、ガスプロム銀行が仮想通貨の金融管理サービスを始めます。

米英の経済紙にも、書かれていますが、ロシアの石油、ガスを海外に輸出するガスプロムは民間でなく国営、半国営企業で、形式上民間とよく言われています。ロシアのウクライナ紛争後にロシア政府に反対意見を述べた欧州国家にガスの提供を止め、意図的に中国に廻すなど民間の供給契約よりもロシアの国益を優先するガスプロム。その子会社の銀行が仮想通貨の金融管理サービスを始めます。英語の読める方はどうぞ。

ethereumworldnews.com

記事によりますと、METACO という仮想通貨の金融管理サービスを得意とする会社とガスプロム銀行のスイス法人が一緒になって2019年半ばをめどに仮想通貨の金融管理サービス(英語で言うcustody service)を始めるそうです。METACOは今回のプロジェクトでSILOという技術を使って、仮想通貨の金融サービスをおこなうのに最も安全なシステムを導入するそうです。今回の新しく始まるサービスは個人、機関投資家の資産運用の中に仮想通貨を含める形にするそうで、仮想通貨だけではないようです。また、今回のプロジェクトでガスププロムはスイスの法人を使うことによって、法的な問題は生じないように対処しているそうです。

簡単にいうと、これだけですが、ガスプロム=ロシア政府 といってもおかしくない会社です。その子会社ですからロシア政府の意思なしにはこのようなサービスは始められないと考えるのが間違いないでしょう。ただでさえ、欧米との軋轢がおおいロシア政府が法的に問題ないようにするためと言ってスイス法人をつかっているのは間違いなくロシア法人がはじめると制裁の対象になりかねないからでもあるでしょう。

ロシア政府は国策としてドル基軸の国際貿易決済を破綻させたいことだけは確かです。かといって、ドルから他の通貨に替えることは不可能ですので、いくつかの通貨を使った国際貿易決済にもっていくことが当面の目標でしょう。しかしながら、それをアメリカは許すことはありません。アメリカの同盟国にとっては自由貿易と人権を前に出したアメリカの政策はドイツや日本のように国内資源が少ない国、イギリスのように金融で生きている国にとっては海外市場への障害なきアクセス、海外にある資源への自由アクセス等は国家繁栄になくてはならないものです。ロシアのように一部の独裁者、特権階級が自国の帝国主義的な侵略に反対する国家に対する、ロシア国内の市場アクセスのみならずロシアの輸出する天然資源の一方的な停止等は受け入れがたい政策です。

ロシアではありませんが日本も中国から経験しましたね、尖閣諸島の国有化問題でレアアースの輸出を中国から止められました。第二次大戦前なら戦争です。

アメリカの大量破壊兵器を理由にしたイラク侵攻はサダムフセインイラクの石油をドルからユーロ決済から変えてすぐにおこしました。ヨーロッパは不満を言うだけでしたが、それはアメリカが恐いだけでなく独裁者達が自分達の都合の元に資源輸出を停止することも理由です。

アメリカのドル基軸の経済制裁は独裁者の国民の生活が侵されますので正しいやり方ではありませんが、ロシア、中国などの非民主国家勢力が資源を使って他の国を脅すことをアメリカはドルを使って対抗していると考えると資源がなく輸出で暮らす日本もアメリカをサポートせざる得ませんね。

これから世界の自由貿易、金融を広めていくためにも何らかの形で日本は民主的な欧米諸国と一緒になって仮想通貨にたいする規制、ルールを作っていくべきでしょう。仮想通貨は民間と市場が決めるから無理という人もいるでしょう。私は禁止ではなく、ロシア、中国のような資源で脅しをかける国家の転覆をはかる形で行わなくてはいけないのではないでしょうか。私はいくつかの主要仮想通貨をドル、ユーロ、円、ポンドと一緒に国際的な管理をおこない、独裁国家が貿易決済で悪用できないような方法を考えて、守っていくべきではないかと思いますがみなさまいかがお考えですか。

PS,ガスプロムについて、私と同じ意見を持つ記事をみましたのでよろしければご参考に

www.nikkei.com