世界初のケースです。ベネゼエラの原油が仮想通貨、ペトロでないと買えなくなるそうです。

世界中から、価値のない疑惑の目で見られているベネゼエラのペトロ、新しい政策を独裁者は導入します。英語の読める方はどうぞ。

oilprice.com

記事によりますと、ロシアを訪問中のマドロ大統領が、2019年からベネゼエラの原油を買う場合はペトロ決済のみでおこなうと発表したそうです。べネゼイラの石油セールスはこれでドル決済の国際石油取引の呪縛から解放されることになると述べているそうです。IMFによりますと、ベネゼエラのインフレは137万パーセントで、GDPも前年比に18%下落しているそうです。また、経済再建の為に、ベネゼエラの石油販売価格を国際価格に戻す計画であることも発表されたそうです。

ここからは私の意見ですが、独裁者が経済を理解していないために、今回のプランもうまくいかないでしょう。

まず、2003年の米国イラク侵攻は大量破壊兵器の破壊を表向きにしていますが、実際はイラクのサダムフセインイラクの米国からの経済封鎖を突破するために、イラク石油の決済を米ドルからユーロに替えてすぐの侵攻であったことは公然の事実です。そして、ユーロに変更してもらって、実際恩恵を受けるはずのヨーロッパ諸国も公然とアメリカに対抗しませんでした。世界貿易はそれだけドルに依存しているシステムだからです。それ故に、ユーロ、スイスフラン、英ポンド、円などは強い通貨とされていますが、実際はドルの周りにある比較的強い通貨だけで、ドルの代わりにはならないのが現実です。要するに

ドル決済から外れる=国際貿易から抜ける

ドル決済から外れる=アメリカが独裁者の転覆を図るための侵攻を許す。

ということなんです。

第二に、反米国家はアメリカからあらゆる妨害をうけます。キューバなどがいい例です。キューバに入港した船はアメリカに入れません。また、キューバと取引をする会社のドル預金はアメリカ政府が凍結する権利をもっています。信じられない話ですが、反米国家、北朝鮮、イランに対してもアメリカ政府は第三国の民間企業に当てはめます。現在、韓国の企業が北朝鮮の船とせどりをおこなったり、文大統領がドルでなく、物々交換でイランの原油を取引しようとしていますが、非常に危ない橋を渡っています。北朝鮮問題もあり、韓国に対してなにもしていませんが、北朝鮮の非核化がうまくいかなかった時、韓国も巻き添えの経済制裁もありえる行動をとっています。そうなれば、徴用工問題の日本の対韓国経済制裁はほとんど意味がないぐらい大きな経済的な損失を韓国にもたらすでしょう。

そんな危ない橋を渡ろうとしているところのベネゼエラと、しかも国際価格(今までは国際価格より格安で販売)に戻した原油をわざわざ買うのか疑問です。今まででも南米の近隣国家が安い石油価格の差額を稼ぐために、ベネゼエラの石油を買っていました。ハイリスク、ハイリターンの商売でした。しかし今ではハイリスク、ノーリターンになりました。現在のベネゼエラの近隣で同調する可能性があるのは南米最貧国の反米国家ボリビアぐらいかもしれません。ただ、ペトロを買うドルを持ち合わせていない国です。

現在のベネゼエラがいくら頑張っても、アメリカ政府の妨害にあい、ペトロは将来、過去に存在した、中央銀行が発行して失敗した仮想通貨として歴史に名を残す以外にない通貨となっています。