反米国家イランバックアップの仮想通貨VSアメリカの経済封鎖

反米国家で経済封鎖をうけるイランの仮想通貨の話です。アメリカのワシントンタイムスからの記事です。

www.washingtontimes.com

記事の内容はアメリカから経済封鎖を受けてドルを取り扱えないイランが自国通貨のリアをバックアップにした仮想通貨の発行を行う話です。他の仮想通貨と同じでブロックチェーン、分散化台帳を使っての通貨発行ですが、流通量は政府がコントロールするそうです。通貨は世界中どこでも送金できるようにするそうです。

しかし、現在のイランは米国トランプ政権がイランとの核合意を履行していないとして、経済封鎖をおこなっています。現状ではイランの石油輸出はゼロに限りなく近くなり、石油の売れないイランの通貨リラは最低の価値となりつつあります。

また、ドルベースの取引をあきらめて、仮想通貨での国際貿易を目指すことは世界の金融、国際貿易からますます孤立するのではと予想しています。

イラン国内の銀行家たちも、現在イラン政府がビットコイン他仮想通貨を容認していないのにもかかわらず、リアにバックアップされた仮想通貨を使えという政策にものおじしているようです。

今回のイランの動きを助けているのはどうやらロシア政府のようです。ロシアはイランに対して今回の仮想通貨をつかえるようにドルの時に使う送金システム、SWIFTコード(送金先銀行の認識コード)同様のシステムの提供を行ったようです。また、同じ技術援助をベネゼエラ政府の仮想通貨にも行ったようです。

記事の内容は以上です。

中国政府、ロシア政府はなんとかして現況のドルベースの国際貿易を自分たちに有利に使えるように多面化を行いたい。しかし、正面だって中国元やロシアのルーブルではできないので、他の反米国家で、仮想通貨を発行させて現況の国際貿易のルールを変えたいのでしょう。

私が強調したいのはいくらベネゼエラ、イランが豊な天然資源をバックアップにした仮想通貨を取り扱っても、アメリカ合衆国にはセカンダリーボイコットという政策があるかぎりどうしょうもできないということです。

セカンダリーボイコットとは、アメリカの制裁国家(例えば、ベネゼエラ、キューバ、イラン等)と取引を行った物は第三者も含めて制裁対象になるという法律です。

例えば、皆さんが船舶を保持しています。中国企業からキューバに砂糖を取りに行って中国に配送すると通常の2倍の運賃がもらえるからと引き受けたら、あなたの船舶はアメリカのどの港にも入れなくなりますし、あなたに運賃が支払われる国際的な銀行口座の凍結を受けます。

もっとくだいて、仮想通貨での例にします。

例えば、皆さんが石油でバックアップされた仮想通貨をベネゼエラから買ったとします。もうけて、ドルに換金できないからベネゼエラから石油でもらったとしましょう。

わかりますよね。石油もらっても売り先が見つけられないんです。なぜなら、皆さんから石油を買った会社もセカンダリーボイコットの一環で、ドルの取り扱いができなくなるからです。要するに国際貿易を行いたい場合のドル口座の凍結を受けるからです。

だったら、ドルでなく、中国の元、ロシアのルーブルだけで貿易をしてと考えるかもしれませんが、まだそこまでロシアも、中国も国際貿易での力はありません。ロシア政府も中国政府も正面だってドル=米国に対抗する力はありません。もしそれを容認したら自分たちも経済制裁対象になり、ドルが使えなくなったら、ロシアも中国も国内経済が崩壊して政権崩壊になるでしょう。

ある意味、これだけの国際貿易が盛んになればなるほど、私たちの生活圏はドル=アメリカとの関係、に左右されているんです。

わたしは、あまり、どの仮想通貨がお勧めとか、どの通貨が勧められないとかは書きたくないのですが、アメリカのセカンダリボイコットという政策がある限り、反米国家の仮想通貨だけは皆さんにお勧めできない理由を今回は説明させていただきます。