イスラム教の決済通貨、もしくはスンニ派の決済通貨?サウジアラビアとUAEの決済用の仮想通貨が来年に発行準備完了

サウジアラビアUAEの決済用の仮想通貨が来年に発行準備完了します。中東情勢と合わせて中東の通貨投資を理解してみましょう。まずは英語の記事を読める方はどうぞ。

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記事によりますと、サウジアラビア中央銀行であるサウジアラビア金融管理局が来年には政府発行の仮想通貨の準備が完了して、発行する予定だそうです。今回のサウジアラビアの仮想通貨は、UAE中央銀行も今回の仮想通貨はUAEと共同のプロジェクトであり、両国間の決済にも使われる予定だそうです。

現在の中東のイスラム今日の影響と国家間の対立、米国がどう絡んでいるのか書いていきます。

イスラム今日にはスンニ派シーア派があります。教義は以前もブログで書きましたので省略します。現在の中東はサウジアラビアスンニ派)とイラン(シーア派)が2大勢力です。

現在のスンニ派の国は以下になります。

サウジアラビアスンニ派の盟主)UAE(人口の4分の3以上)、その他の多くの中東国家

人口で半分以上のシーア派の国は以下になります。

イラン(シーア派の盟主国)、イラク(人口の3分の2はシーア派)、レバノン(人口の半数以上)、バーレーン(70%がシーア派)とアゼルバイジャン(80%以上)がシーア派の国です。

こんな感じですが、実際は複雑です。シリアを例にあげると国民の80%はシーア派ですが、アサド政権はスンニ派です。そのためか、スンニ派の影響力を保持したい為にイランはシリアのアサド政権をサポートしています。また、シリアはイスラエルと敵対関係にありイランもイスラエルとは敵対関係にあるのも両国の関係を緊密にしています。

カタールスンニ派の国ですが、イスラエルの非民主的な政策を批判する中東のメディア、アルジャジーラの本部があります。またスンニ派であるのにもかかわらず、シーア派に融和的な政策がサウジアランビアの逆鱗に触れて国交断行になっています。シーア派に融和的ではありますが、テロ支援を理由にシーア派バーレーンカタールとの断交に参加しています。

このように宗教的、外交的な理由での2大勢力と国家間の関係が複雑に絡み合っています。

アメリカはスンニ派のサウジ、UAEグループを支持しています。理由は簡単です。スンニ派が親米であるからでなく、ただ単にイランとイスラエルの中が悪いからです。イスラエルに敵対的な国がイランなのでイランがサポートするシリアも経済封鎖の一員となっています。

今回の決済用の仮想通貨はサウジアラビアUAEの共同発行ですので、イランの中央銀行発行の仮想通貨とは違って、アメリカの承認を得ることはできるでしょう。また、今回のサウジアラビアUAEの共同での仮想通貨発行は対イランへの対抗策も絡んでいると考えてもいいのかもしれません。もし、イランの発行する仮想通貨が中東で兌換性があり、決済できる仮想通貨になったら困るのはサウジアラビアUAEです。今後も米国の反イラン政策でサウジアラビアUAEと共同歩調をとりたいトランプ政権にとっても、イランの中央銀行発行の仮想通貨を潰すための一つの道具としてこの決済通貨には反対できないからです。中東情勢を考えても今回の共同通貨は魅力のある通貨となるのではないでしょうか。