仮想通貨、電子マネーによるキャッシュレス社会VS中央銀行発行の貨幣経済、最後にどうなるの?中国での実験

現在、中国では世界のどこよりもキャッシュレスの社会が都市部で出来上がりつつあります。このまま世界はキャッシュレスになれるのだろうかを検証した記事です。仮想通貨の価格、流通量には影響ない記事かもしれませんが、マクロな経済の動きと思ってみてください。英語の読める方はどうぞ。

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ワシントンのシンクタンクの発行するフォーリンポリシーの記事だそうです。

題目はキャッシュレスの社会は素晴らしい、でも現実は失敗に終わるという題目です。

現在中国ではアリペイやテンセントペイのおかげで、世界で最もキャッシュレスな社会が出来上がりつつあるそうで、現金での購買は過去の話となりつつあるそうです。

テンセンスのWECHAT等での支払いがあまりに進んでいるので、都心部の店舗の中には現金での支払いを拒否するお店もあるそうです。このような状態を中国の中央銀行も現金での支払い拒否は社会的問題として非常に憂慮しているそうです。

では都心部でのこのような状態が自然と地方に流れて、現金を元にした貨幣経済の終焉ですむかというとそうでもないことをフォーリンポリシーが調査によってわかりました。

中国の都心部に住む総人口の30%の人たちは確かにキャッシュレスの中ですんでいますが、残りの田舎に住む70%の多くは逆にキャッシュレスを拒否するような生活を送っているそうです。

このままキャッシュレスが進んでいくと、現金しか取り扱わない人たち、中にはモバイル電話のみならず、銀行口座を持たない現金でのみ生活している人たちが、食糧が生活物資を変えなくなる可能性があるからだそうです。

現在、この問題をいかに解決するかはキャッシュレスをすすめる巨大企業は見て見ぬふりをしています。ただ、この70%をいかに取り組んでいくしか考えていないことが将来大きな問題を抱えるかもしれないことを伝えています。

政府としても問題があるでしょう。キャッシュレスの電子マネーで生活している人は、

現金を使わない=人民元がいらない人

なので、中国国内に住んでいながら中国経済の影響を受けない、存在しているけど中国の貨幣経済に協力しない、統計にもでてきずらい幽霊のような人たちになりますよね。それが総人口の30%を超える人たちがそうなりつつあるんですからこのような人たちが未来の共産党政権にどのような影響を与えるのか想像もつきませんね。

また、

現金のみの人=高齢者、貧困層、農村、保守層

キャッシュレス=若い世代、中間層以上、都心部生活者、ダイナミックな経済活動をのぞむ人たち

この両極端にわかれた2極の人たちが未来の他の国にポジティブな参考例をもたらすか、それとも問題を起こす警告となるかまだ分からない状態に陥っているそうです。

ここからは私の意見ですが、19世紀の半ばから始まった産業革命によって、遅かれ早かれ、西欧、北米、日本が先進経済国となって数々の技術をつかった経済政策を行い、発展途上国がそれをコピーして後を追っかけてきましたが。21世紀の5分の1が終わる段階で、初めて他の地域からどうなるのかを見守るような国が登場しました。しかし、今回の経済政策は、運営をあやまると、自分たちの存在価値すら否定されかねない非常に難しい問題を抱えてしまったのではないでしょうか。もし、完全キャッシュレス社会にうまい具合に導けたのなら、間違いなくビットコイン他、いくつかの基軸となる仮想通貨の長期的な価格急上昇は間違いないでしょうが、それは政府=中央銀行の特権、権威の否定ともなります。それを政府、特に共産党が許せるのでしょうか。

かといって、現金のみの貨幣経済にはもどれません。本当に落としどころがどこか誰もわからない状態ですね。

完全キャッシュレスの社会も失敗、完全キャッシュのみの貨幣経済も無理。どこが一番いいのか、これを中国の実験でみていき、着地点がどこになるかを見極めていかなくてはいけないのではないでしょうか。